購入者の決済方法、配達状況をしっかり管理する

　ネットショップで買い物をした購入者の情報や購入商品などは、いつでも把握できるようにしておくことが大切です。購入者が、いつ、どんな商品を購入し、その金額はいくらで、決済方法は何を利用したかを把握しておきます。

　ネットショップにとって重要な情報なので、下の表のような「注文日」「注文者」「商品」「請求金額」「配達状況」「入金状況」など、受注状況をきちんと管理しておくことが大切です。これを「受注台帳」と呼びます。なぜ、受注台帳で管理することが大切なのでしょうか。

　一番の理由は、購入者への誤発送や未入金といったリスクを避けるためです。開業当初など購入者が少ないときは、誤発送や入金管理などはメモ書き程度でも把握できますが、受注が増加していくと、きちんと管理しなければミスが起きやすくなります。そのためにも受注台帳は必要不可欠です。また、受注台帳が大切な理由は、ネットショップ運営に生かせるヒントが盛りだくさんだからなのです。

　「ステップ10「アクセス解析」で訪問者・購入者の動きをつかむ」で紹介したアクセス解析は、訪問者の行動を把握できましたが、受注台帳では「購入者の行動」をキャッチできます。

　どのようなタイプの人が商品を購入しているのか？　自分用なのかギフト用なのか？　どのような用途で購入するケースが多いのかなど、お店で扱っている商品の特性を店側とは異なった視点で深く理解できるようになります。たとえば、ある商品が「ギフト用」として購入されるケースが多いとわかったなら、その商品を「ギフトセット」として販売する新たな戦略も打ち出せます。

　男性から女性に贈る商品として多く売れるのであれば、その商品をホワイトデー商戦に向けて数多く仕入れたり、トップページで大きく取り扱ったり……といったアイデアも浮かんできます。

　また、決済方法を調べれば、購入者はどんな決済方法を利用しているのかについても把握できます。その結果、まったく活用されない決済は導入を中止するなどの策を講じることもできます。

　このように、受注台帳は購入者の全体像を把握できる大切なツールです。その全体像から、ネットショップ運営の指針を示す具体的なメッセージを多く読み取ることができます。受注台帳を戦略的に活用することは、お店の繁栄に欠かせません。

　受注台帳は、ネットショップ専用ホスティングサービスを使えば標準提供されていますので、ぜひ有効活用しましょう。